この日は、朝5時起き。6時にならないと、キッチンの照明が点かないため、暗いキッチンで朝食をとる。6:00過ぎに出発し、待ち合わせ場所の地下鉄降り場まで向かう。DMZ(非武装地帯)行きのツアーバスが何台も並んでおり、最も豪華なバスが予約したツアーのものだった。日本人が3組、残りは外国人のツアーで、バスの前方と後方に分かれて座る。それぞれガイドが付いており、日本語のガイドは、関西で勤めていたという魚(ウォー)さん。「Dragonと呼んでほしい」と言っていたが、誰一人そう呼んではいなかった。外国人ツアー客の遅刻で、7:00出発が10分遅れた。
DMZ(非武装地帯)付近には北朝鮮が韓国に攻め入るために掘ったといわれるトンネルが4つあり、前回、2018年末に訪れたDMZは、ソウルから1時間ほどの「第3トンネル」で、最も観光客が訪れる観光化された場所。そして今回は、高速道路で2時間程のところにある「鉄原第2トンネル」。
1975年に発見された「第2トンネル」は、全長約3.5km、地下50~160m、軍事境界線から南に約1.1kmまで到達しており4本中最大規模で、1時間あたり約3万人の武装兵力を移動可能だという。小型戦車も通過できるらしい。また、韓国軍が発見した際、トンネル内の確認作業を行っていた兵士が8人が亡くなったということで、その慰霊碑も建立されていた。
支給されたヘルメットをかぶり、階段を降りて進入。頭を何度も天井にぶつけながら300mほど進む。地面は地下水で湿り、天井からは水が滴り落ちる。残り300m先が軍事境界線、というところで行き止まりとなっており、最前線には兵士がおり、空気がピリリと引き締まる。撮影は禁止されているが、「兵士の見えない場所だったらいいですよ」というので、写真や動画を回す。トンネルから出て、他のツアーガイドに「動画はダメだ」と注意されたが、注意されただけだった。
バスで、鉄原平和展望台に移動。展望台まではモノレールもあったが、「混んでいる」ということで徒歩で登る。展望台の1階には朝鮮戦争の展示物があり、2階にある展望台からは北朝鮮を眺めることがでる。日本語ガイドの映像を見た後、双眼鏡で宣伝村などを眺める。前回のDMZツアーでは、双眼鏡で人物なども確認できたが、今回は兵士の宿舎のみが荒涼とした雰囲気の中に見ることできた。ガイドの方は「大統領が変わって民主党政権となり、太陽政策が再開されたら、また両国の関係が改善の方向にすすむかもしれない」と言っていた。
バスで、鉄原平和文化広場へ移動。もともとは、DMZ内にあった月井里(ウォルジョンリ)駅が移設展示されている。現在は非武装地帯の南方限界線にある韓国最北端の終着駅となっている。駅舎や朝鮮戦争時に破壊された北朝鮮軍用貨物車が展示されていた。公園には娘の銅像が建てられている。ガイドの話では、娘が病気の父に、井戸水を汲んで千回運ぶと治るということから、千回運んだら逆に娘が亡くなってしまった、という話の銅像であると説明してくれた。Makoは「3回なら運んでいいよ」と言ってくれた。
バスで、北朝鮮労働党官舎の廃屋まで移動。1946年に完成した朝鮮労働党鉄原郡の党舎で、朝鮮戦争の激しい爆撃にも生き残り、鉄筋コンクリートとレンガを組み合わせた3階建ての建物は生き残っていた。戦争の悲惨さを伝える遺構として文化財に指定されているらしい。その隣には、開拓の村のような施設があり、張りぼての薬局や病院などが展示されていた。学校には、日本の植民地時代の教科書、黒板の上には掲示された教育勅語も見ることができた。
昼食は、田舎の長寿食堂で、ガイドのおすすめであるプルコギ、相方はビビンバ、Makoはスンドゥブを注文。すべての野菜は、裏庭で栽培されたものということで、とりわけポテサラが美味しく、おかわりをした。荏胡麻の和え物も美味しかった。
午後からは、漢灘江ジオパークへ。ユネスコ世界ジオパークに認定された漢灘江の自然と地質を体験できるツアーで、柱状・板状の地質などの絶景を眺めながら、峡谷にかけられたスリル満点の道や橋をすすむ。全長は3.6㎞あるが、1㌔地点で折り返して往復2㌔、1時間ほど自然を満喫する。この日は、ガイド曰く、「今日一日で13000歩」歩いた。
バスで2時間かけてソウルに戻る。すでに夕方である。明洞の地下街でMakoの腕時計のベルト交換を行う。Makoが大学生になった時に買った時計である。4000円で交換できた。Naoが「チキンを食べたい」ということで、調べて「新韓国トンタッ 鐘路3号店」へ。昔ながらのチキンで、常連で賑わっていた。店の前では夕涼みか飲み倒れか、おじいさんが2人横たわっていた。チキン3羽、砂肝揚げ、ポテトを注文。ビールとチキンの組み合わせは「チメク」という。4600円で大満足だった。
Makoはライブのチケットを取るということで、夕食後に分かれていったん寮に戻った。チェーンの「メガコーヒー」のお店で、ブラックのアイスコーヒー(韓国では「アメリカーノ」という)を注文、香りがたっていて美味しいく、290円でLLサイズ。Naoはレモネードを注文していたが、どれも日本のそれより甘いのが特徴だ。ホテルへ歩いて戻り、相方は広蔵市場(クァンジャンシジャン)で翌朝の朝食のキンパを購入。300円。いつものコンビニでヨーグルトや炭酸水、トウモロコシ茶も買う。歩き疲れた一日となった。